木花之佐久夜毘売

木花之佐久夜毘売とは？

木花之佐久夜毘売の伝承

　木花之佐久夜毘売は大山津見神の娘であり、笠沙の岬において天孫「日子番能邇邇芸命」と出会い、「そなたは誰の娘か？」「そなたには兄弟（姉妹）はいるか？」など聞かれ、「そなたとまぐわいたい」と求婚されます。木花之佐久夜毘売は自分の一存では決められないとして父の大山津見神に相談する事に。

　娘である木花之佐久夜毘売から日子番能邇邇芸命から求婚されたことを聞いた大山津見神はたいそう喜び、木花之佐久夜毘売だけでなく姉の石長比売も多くの結納品と共に日子番能邇邇芸命の元に送りだしています。しかし、姉の石長比売はとても醜い姿をしていた為、石長比売だけをそのまま送り返してしまいます。

　この日子番能邇邇芸命の行動に対して、大山津見神は「娘二人を娶ってくれれば日子番能邇邇芸命の永遠の命を得て、桜の花が満開になる様に大きな繁栄を得る事ができるだろうという誓約をおこなっていたが、石長比売を娶らなかった為、日子番能邇邇芸命の命ははかなく短いものになってしまうだろう。」と伝えたという。

　木花之佐久夜毘売は日子番能邇邇芸命の子を身籠っていると伝えます。この木花之佐久夜毘売の申し出に対し、日子番能邇邇芸命は「一夜の契りで身籠る訳がない。その子は国津神の子であろう。」と答えています。この日子番能邇邇芸命との会話で自らの潔白を証明する為、木花之佐久夜毘売は誓約を行います。

神々のデータ

木花之佐久夜毘売を祀る神社

• 日長神社
  • 愛知県岡崎市中島町新町十八番地
    延喜式神名帳　三河国碧海郡　日長神社

• 阿志神社
  • 愛知県田原市芦町柿ノ木十二番地
    延喜式神名帳　三河国渥美郡　阿志神社

まとめ

　木花之佐久夜毘売といえば、富士山を御神体とする富士山本宮浅間大社の御祭神として非常に知られています。全国には千三百社あまりの木花之佐久夜毘売を御祭神とする浅間神社が鎮座しているそうです。また、炎に囲まれる中無事に出産を下という事で「安産の神様」としても崇敬を集めており、木花之佐久夜毘売を御祭神とする神社は非常に多くなっています。