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天宮神社(周智郡森町天宮)

神社情報

神社名天宮神社
鎮座地静岡県周智郡森町天宮五七六番地
御祭神田心姫命
湍津姫命
市許嶋姫命
創 建欽明天皇御代
社格等縣社
神名帳
文化財国指定:遠江森町の舞楽
県指定:拝殿、本殿、天宮神社のナギ
例大祭四月第一土・日曜日
境内社本宮神社
天宮秋葉神社
多賀社
稲荷社
URLhttps://morimachiamenomiyajinjya.jimdofree.com/
御朱印
参拝日:2021年12月4日

御由緒

 第二十九代欽明天皇の御代に、筑紫国の宗像三女神を勧請、創建した神社であるという。神社庁の由緒ではこの地を治めていた豪族が勧請したとし、境内に据えられた由緒板では勅願所であるとしている。

第二十九代欽明天皇

 第二十六代継体天皇の皇子である。在位は539年12月30日~571年5月24日とされるが、日本書紀などの記述に矛盾がある為、おおよそこの頃即位したと考えられる。

 欽明天皇の御代で歴史的な出来事といえば、欽明天皇十三年(552年)、百済から仏像と経文が伝来された(仏教公伝)ことかと思います。伝来した仏教を巡って朝廷内を二分する事態となり、これは後に蘇我馬子が物部守屋をうち滅ぼすまで続いた。

 文武天皇の御代である慶雲二年(705年)、都より中村蓮綾足が神主として赴任された際、社殿を造営し奉納神楽が行われたという。この舞楽は戦乱により一時途絶えた事はあったが、再興し現在にその姿を伝えている。左の舞が唐楽:小國神社、右の舞が高麗楽:天宮神社が一対となっており、共に国の重要無形民俗文化財に指定されている。

 寛文年間(1661-73年)に遠江一宮「小國神社」の神宮寺「八形山蓮華寺」の末寺としてと天宮神社神宮寺「天宮山辯梵台院神宮寺」が創建される。この両神宮寺は天台宗の寺院として先に紹介した舞楽の継続に非常に影響をもっていたとされています。

 現在の社殿は現六十年(1697年)十二月、五代将軍徳川綱吉公の勅命によって造営され、奉行は横須賀城主西尾忠成が務めた。本殿及び拝殿は静岡県の指定文化財となっている。

御祭神

  • 田心姫命
  • 湍津姫命
  • 市許嶋姫命

宗像三女神

 古事記・日本書記に登場する天照大御神と須佐之男命の間で行われた「誓約」において天照大御神が須佐之男命の剣を嚙み砕いて吹き出した時に生まれた三女神をさす。

 古来より日本と朝鮮半島との玄関口となっていた北九州沿岸の海上交通の安全を守護する玄界灘の神として宗像と沖合の島々に祀られ、宗像大社の御祭神として「宗像大神」または「道主貴(みちぬしのむち)」とも呼ばれる。

29代欽明天皇の頃(約1500年前)、この地方を開発した氏族によって築紫国宗像から神霊を迎えて斎き祀ったと伝えられている。慶雲2年社殿等が造営されたが、戦乱により焼失。のち徳川家康公によって造営。更に元禄10年、五代将軍綱吉公により甲良宗賀を大棟梁として完成したものが現在の本殿と拝殿で、県指定文化財となっている。

静岡県神社庁

参拝記

太田川右岸を走る県道58号線沿いに少しわかりにくいのですが赤松川向公民館が建っておりここの敷地に天宮神社の参拝者駐車場が用意されています。目印としては火の見櫓になりますかね。

境内入口

 県道58号線から公民館の駐車場の目の前に天宮神社の境内入口があります。神社の社殿は小高い山の上に鎮座しており、軽打入口から社殿にむけて石段の参道が続いています。

社号標

 旧社格「縣社」が合わせて彫られた社号標です。

一の鳥居跡

 写真左手に看板が設置されていますが、丁度この場所に一の鳥居が建っていました。平成三十年九月三十日に上陸した台風二十四号によって倒壊してしまったようで、自分が参拝した時には再建の浄財を募集していました 
 追記:令和四年五月二十八日、一の鳥居が再建された様です。

 一の鳥居が建っていた基礎部分になります。これを見る限りかなり太い柱だった鳥居のようです。

二の鳥居

 石段の参道をさらに登っていくと、扁額が掲げられていない明神鳥居の二の鳥居があります。元々は額束部分に扁額が掲げられていたのかな?

手水舎

 木造瓦葺四本柱タイプの手水舎になります。各柱に軽く転びが付けられていて少し太めの柱となっています。

社殿

 入母屋造瓦葺妻入りに庇の向拝が設けられた拝殿を有する社殿になります。社殿の様式を眺めると尾張造と呼ばれる社殿配置に準じているかと思います。

 拝殿と本殿の間には尾張造では「祭文殿」と呼ばれる幣殿が建ち、本殿の周辺を透塀の瑞垣が取り囲んでいます。全体的な雰囲気は先にも述べていますが「尾張造」の社殿なんですが、どうなんでしょうね。

神楽殿

国の無形民俗文化財となっている「遠江森町の舞楽」の舞台となっている神楽殿になります。以前紹介した「小國神社」の神楽殿と同様に、神楽殿と楽屋の間に渡殿が設けられた造りになっているのが特徴でしょうか。

 こうした造りの神楽殿は自分が本拠としている愛知県岡崎市周辺では見かけた事がない造りですね。

神宮寺跡

 天宮神社の境内には由緒でも紹介していますが神宮寺が建っていましたが、明治時代の神仏分離、廃仏毀釈によって廃寺となり、現在では開創された参籠堂となっています。外観からでは寺院の香りはあまり感じなくなっています。

大壇石塔と女陰石

 山郷地蔵山に地域の祭祀場があり、そこに据えられていた大檀石塔と女陰石になります。地蔵山が開発された祭場が消滅してしまった為、当地に移されたそうです。

静岡県天然記念物のナギ

 ここ天宮神社の境内に県天然記念物に指定されている御神木の「なぎ」があります。ここの「なぎ」の葉がまさに竹の葉を彷彿させることから「竹柏」と書いて「なぎ」と呼ぶようです。

 実は、一の鳥居が倒壊した台風二十四号の風害ですが、天宮神社の境内の巨木も次々と倒壊してしまったようで、現在もその爪痕がのこされているのですが、御神木のナギは風害から逃れる事ができたようです。

地図で鎮座地を確認

神社名天宮神社
鎮座地静岡県周智郡森町天宮五七六番地
最寄駅鉄道:
バス:秋葉バス「森中学校入口バス停」徒歩2分

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