とは?
登場文献
- 古事記
- 上つ巻「伊邪那岐・伊邪那美神産み」の段
次生火之夜藝速男神(夜藝二字以音)亦名謂火之炫毘古神、亦名謂火之迦具土神。(迦具二字以音)因生此子、美蕃登(此三字以音)見炙而病臥在。多具理邇(此四字以音)生神名、金山毘古神(訓金云迦那、下效此)次金山毘賣神。次於屎成神名、波邇夜須毘古神(此神名以音)次波邇夜須毘賣神。
- 神名 : 波邇夜須毘古神、波邇夜須毘売神
- 日本書紀
- 神代上「伊弉諾尊・伊弉冉尊神生み」の段
- 神名 : 埴安神、埴安姫
波邇夜須毘古神、波邇夜須毘売神の伝承
古事記、日本書紀共に、伊邪那岐と伊邪那美の神生みによって生まれた神であるとしています。特に、日本書紀では「埴安神は土の神である。」と断言しています。
古事記ではそこまでの断定は記されていませんが、伊邪那美が火の神とされる「火之加具土命」を生んだ時に陰部を焼かれて危篤状態となり、状況を察するに、もがき苦しんでいる伊邪那美が漏らしてしまった大便から化成した神が波邇夜須毘古神、波邇夜須毘売神であると書かれています。
なぜに大便から化成した神が土の神となるのかは正直わからない部分なんですが、その神名である「波邇夜須」は「ハニヤス」と読み、埴(ハニ)と呼ぶ土器などを作る材料となる粘土を練って柔らかくする(ネヤス)という意とする説があるそうです。はにねやす・・はにねゃす・・・ねにやす・・・ハニヤス?・・・もしかしたら、練って柔らかくなった埴と大便のが似ているから古事記の描写に繋がったのかもしれません・・・。
神々のデータ
神名 | 記:波邇夜須毘古神、波邇夜須毘売神 紀:埴安神、埴安姫 |
神祇 | 天津神 |
別称 | ー |
親 | 伊邪那岐神・伊邪那美神 |
配偶 | ー |
子 | ー |
備考 | ー |
波邇夜須毘古神、波邇夜須毘売神を祀る神社
- 形原神社
- 愛知県蒲郡市形原町八ヶ峰三九番地
延喜式内社:宝飯郡 形原神社
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形原神社(愛知県蒲郡市形原町)延喜式内社
蒲郡市形原町に鎮座している延喜式内社の形原神社の紹介になります。主祭神は土や土器の神と言われている「埴安神」になります。
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- 愛知県蒲郡市形原町八ヶ峰三九番地
- 灰寶神社
- 愛知県豊田市越戸町松葉五十二番地
延喜式内社:賀茂郡 灰寶神社
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灰寶神社(愛知県豊田市越戸町)延喜式内社
延喜式神名帳に記載されている三河国二十六座の内の一座である「賀茂郡 灰寶神社」の論社の一つ、豊田市越戸町に鎮座する「灰寶神社」の紹介です。
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- 愛知県豊田市越戸町松葉五十二番地
まとめ
古事記では男女対偶の神として書かれていますが、日本書紀では性別が分からない「埴安神」または女神である「埴安姫」と書かれていて、記紀でその姿がことなるのが特徴ともいえる神だと思います。
また、その神名からどうしても「埴輪(ハニワ)」を想像してしまいますが、むしろ、ハニヤスから埴輪と名付けられたのかもしれませんね。