神々の伝承

大事忍男神(おほことおしをのかみ)

大事忍男神とは?

記紀での出現状況

  • 古事記に出現
    伊邪那岐命・伊邪那美命の神生みにおいて一番最初に生れた神として登場。

「既生國竟、更生神。故、生神名、大事忍男神、次生石土毘古神 (訓石云伊波、亦毘古二字以音。下效此也) 次生石巢比賣神、次生大戸日別神、次生天之吹上男神、次生大屋毘古神、次生風木津別之忍男神 (訓風云加邪、訓木以音) 次生海神、名大綿津見神、次生水戸神、名速秋津日子神、次妹速秋津比賣神。(自大事忍男神至秋津比賣神、幷十神。)」

 古事記のみに出現する神となり、伊邪那岐命と伊邪那美命における国生みが終了した後、神生みの中で一番最初に出現した神として書かれています。具体的にどういった神なのかは不明となっているのですが、その神名から「大事を終えた(男)神」と考えられ、「国生みを終え、今から神生みが始まる転機を示す神」なのではないかという説があるようです。

 ただ、神産みを示す神が男神である事について、古代日本では「女性が子供を生み、男性は子供の認知をする」とする社会通念を示しており、神産みは男性が主体であることを表しているとする説があるようです。

江戸時代の国文学者であり、古事記を再発見した人物として知られている「本居宣長」が記した「古事記伝」によると、大事忍男神は熊野本宮大社の「事解之男神」と同一神であるとしており、本来は伊邪那岐が黄泉の国から戻ってきて禊を行う際に出現すべき神である所を古事記の編纂中に誤って国生みと神生みの間に出現させてしまったとしています。

神々のデータ

神祇国津神
神名古事記:大事忍男神
伊邪那岐神・伊邪那美神
末裔
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大事忍男神を祀る神社

 当サイトでは大事忍男神を祭神とする神社の紹介はありません。

まとめ

 この大事忍男神から伊邪那岐・伊邪那美における神生みが始まります。古事記ではまさに怒涛の様に神々が次々と出現する事になり、大事忍男神を含めて三十五柱(四十神)が出現してきます。この神々が生まれる事により、国生みで生まれた大地を装飾するように自然が生まれ、人々が生活する家々が誕生していく事になります。

こうした自然が生まれる事が非常に重要であり、それを示す為に出現した神が大事忍男神であるといえます。

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