神々の伝承

角杙神(つのぐいのかみ)・活杙神(つぬぐいのかみ)

2021年6月28日

角杙神・活杙神とは?

記紀での出現状況

  • 古事記に登場
    神世七代の第四代の陰陽神として出現。
    ・神名:陽神:角杙神 陰神:活杙神

【神代七代】
国之常立神 ー 豊雲野神 ー 宇比地邇神・須比智邇神 ー 角杙神・活杙神 ー 意富斗能地神・大斗乃弁神 ー 於母陀流神・阿夜訶志古泥神 ー伊邪那岐神・伊邪那美神

  • 日本書記に登場
    本伝ではなく別伝において神世七代の第五代の陰陽神として登場。
    ・神名:陽神:角樴尊 陰神:活杙尊

【神代七代】
国常立尊 ー 国狭槌尊 ー 豊斟渟尊 ー 泥土煮尊・沙土煮尊 ー 角杙尊・活杙尊 ー 面足尊・惶根尊 ー 伊弉諾尊・伊弉冉尊

「古事記」「日本書紀」共に出現する神になります。「杙(くい)」が神名に使わていてる事からわかる様に、土地の境界を示す「杙」が神格化した神であると考えられています。この神が化成した事により、生活する家を建てる為の土地を確保した。という事を意味していると思います。

 古事記では「宇比地邇神・須比智邇神」の次に出現する神で、「次角杙神。次妹活杙神。(二柱。)」と書かれています。現代語訳にすると「次にお生まれになった神の名は、角杙神といい、その次生まれたには女神で活杙神といった。」と訳すことができます。この神も、他の今まで古事記で登場してきた神々と同様もお生まれになてすぐ姿を隠され(見えなくされ)、これ以降登場してきません。

こちらも参照
神世七代|地に生まれし七代の神々

神世七代とは? 前回紹介した「別天津神」の五柱に次いで出現した神々の七代十二神の総称となります。 また、神世七代の三代から男神・女神と性別が分かれ(一代、二代は別天津神と同様に独神)、ここから日本の神 ...

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 日本書紀では、本伝には登場してきませんが、「一書曰、」とある別伝にて登場します。この別伝は「一書曰、男女𫀽生之神、先有埿土煑尊・沙土煑尊、次有角樴尊・活樴尊、次有面足尊・惶根尊、次有伊弉諾尊・伊弉冉尊。樴、橛也。」とかかれています。現代語訳にすると「別の伝承では、男女が並び生まれたる神は、まず埿土煑尊・沙土煑尊が生まれ、次に角樴尊・活樴尊が生まれ、次に面足尊・惶根尊が生まれ、次に伊弉諾尊・伊弉冉尊が生まれた。樴は杙である。」となります。なぜ本伝でこの角樴尊・活樴尊が抜けているのかがよく解らないのですが、古事記・日本書紀共に神世七代に入るべき男女神であるともいわれています。

神々のデータ

角杙神

神祇天津神、神世七代
神名古事記:角杙神
神名の意味角状の棒杙
別称

活杙神

神祇天津神、神世七代
神名活杙神
神名の意味イキイキとした棒杙
別称

角杙神・活杙神を祀る神社

当サイトでは、宇比地邇神・須比智邇神を主祭神とする神社の紹介記事はありません。

まとめ

角杙神・活杙神は男女対偶神として出現しており、両神を一代として数えています。防塞守護神(道祖神)として祀られる事もあり、悪霊邪気の侵入を防ぐとして「おっかど棒」と称して門前に樹枝や棒杙を突き立てる風習が残っている地域があるそうです。

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