
保食神とは?
保食神の伝承
生前には口から”米飯”、”魚”、”獣”を吐き出し、月夜見尊に切り殺されたその遺骸からは”牛馬”、”粟”、”蚕”、”稗”、”稲”、”麦”、”大豆”、”小豆”が生まれています。この話は「食物起源神話」とも言われていて同様の神話が東南アジアを中心に各地に見られるんだとか。この話以外にも古事記や日本書紀には中国や東南アジアなどの神話と同様の話がいくつも載っている事から飛鳥時代以前からアジア各地との海路交易が行われていた事が解ってきます。
古事記には保食神は登場しませんが、ほぼ同様の内容の話が載っていますが、古事記では須佐之男命と大宜都比売によって話が展開していきます。まあ・・・月読命はほぼ名前しかでてこない正直どんな神なのかすらよく分からない事になっていたりするので、高天原を追放された時の荒れていた須佐之男命が激高して切り殺してしまう役には丁度よかったのかもしれません。

当サイトでは、古事記の現代語訳を行うにあたって、「新潮日本古典集成 古事記 西宮一民校注」を非常に参考させて頂いています。原文は載っていないのですが、歴史的仮名遣いに翻訳されている訳文とさらに色々な注釈が載っていて、古事記を読み進めるにあたって非常に参考になる一冊だと思います。
神々のデータ
| 神名 | 保食神 |
| 神祇 | 国津神 |
| 別称 | ー |
| 親 | ー |
| 配偶 | ー |
| 子 | ー |
| 備考 | 食物の神 |
保食神を祀る神社
- 高根神社
- 静岡県浜松市浜名区尾野二千八百五十番地
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高根神社(浜松市浜名区尾野)延喜式内論社
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- 静岡県浜松市浜名区尾野二千八百五十番地
まとめ
食物の神として大宜都比売と同一視される事もあったり、伏見稲荷神社の御祭神は宇迦之御魂神なんですが、保食神と同様に食物の神という事もあって同一視される事もあって少数派ではありますが全国に鎮座する稲荷神社の御祭神としてその名を見る事もあります。
日本書紀を読んでいくにあったって、原文は漢文で書かれているので非常に読み込むのが困難なので、現代語訳されている本が一冊あると助かるかと思います。当サイトでは、戦前から日本書記の翻訳本として有名な岩波文庫の日本書記を非常に参考にさせて頂いています。