
樋速日神とは?
- 古事記における表記
- 樋速日神
- 日本書紀における表記
- 熯速日神 / 熯速日命
樋速日神の伝承
樋速日神は古事記・日本書記に共通しているのは、伊邪那美が火之加具土命を産んだ際に火傷を負って亡くなってしまいます。激怒した伊邪那岐は十拳剣で火之加具土命を斬り殺してしまいます。剣の鍔から滴り落ちた火之加具土命の血から一番先に「甕速日神」が、続いて「樋速日神」が、そして最後に「建御雷之男神」が産まれています。
日本書紀では、神代下第九段(国譲り)においては、「天岩窟に住む「稜威雄走神」の子に「甕速日神」がおり、その甕速日神の子に「熯速日神」がおり、その熯速日神の子に「武甕槌神」がいる。」と書かれていて、三柱の神の間に系譜があると記されています。ただ、三柱の神に違いがない事から、それぞれの神に非常に強い結びつきがあるのは確かな様です。

当サイトでは、古事記の現代語訳を行うにあたって、「新潮日本古典集成 古事記 西宮一民校注」を非常に参考させて頂いています。原文は載っていないのですが、歴史的仮名遣いに翻訳されている訳文とさらに色々な注釈が載っていて、古事記を読み進めるにあたって非常に参考になる一冊だと思います。
神々のデータ
神名 | 記:樋速日神(ひはやひのみこと) 紀:熯速日命(ひのはやひのみこと) |
神祇 | 天津神 |
別称 | |
親 | 記:天之尾羽張(あめのおはばり) 紀:甕速日神(みかはやひのかみ) |
配偶 | ー |
子 | 紀:武甕槌神(たけみかずちのかみ) |
備考 | 河内国服連の祖 |
樋速日神を祀る神社
- 蜂前神社
- 静岡県浜松市浜名区細江町中川六九一五番地
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蜂前神社(浜松市浜名区細江町)延喜式内社
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- 静岡県浜松市浜名区細江町中川六九一五番地
まとめ
「伊邪那岐が最愛の妻を殺された事で逆上し、我が子を殺してしまう。」というここまである意味淡々と物語が進んでいた「古事記・日本書記」においていきなり登場する壮絶な場面になります。親殺しであり報復として子殺しが行われている場面でも多くの神々が産まれていますが、火の神を斬り殺した返り血から生まれた甕速日神・樋速日神・建御雷之男神は雷が神格化されたとも言われています。落雷によって火災が起こった事の神格化か?
日本書紀を読んでいくにあったって、原文は漢文で書かれているので非常に読み込むのが困難なので、現代語訳されている本が一冊あると助かるかと思います。当サイトでは、戦前から日本書記の翻訳本として有名な岩波文庫の日本書記を非常に参考にさせて頂いています。