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大村神社(伊賀市阿呆) 延喜式式内社

2025年12月5日

神社情報

神社名大村神社
鎮座地三重県伊賀市阿呆一五五五番地
御祭神主祭神:大村の神
配祀神:武甕槌神
    経津主神
    天児屋根命
合祀神:応神天皇
    大日孁貴命
    天押雲命
    市杵島比売命
    大物主命
    大山祇命
    事代主命
    火之迦具土命
    建速須佐之男命
    多紀里毘売命
    狭依毘売命
    多岐津比売命
    水波能売命
    宇迦能御魂神
    速玉男命
    月夜見命
    稲田姫命
創 建不詳
社格等縣社
神名帳延喜式神名帳:伊賀国 伊賀郡 大村神社
文化財国重要文化財:宝殿(附 棟札三枚)
市指定文化財:梵鐘
老六文化財 :本殿
例大祭十一月二日・三日
境内社要石社
英霊社
URLhttps://jinja-net.jp/oomura-jinja/index.html
御朱印
参拝日:2023-11-3

御由緒

由緒については詳かならざるも、延喜式神名帳に”大村神社”の社名が記されており、さらにそれ以前の貞観五年(863年)には主祭神である「大村神」の神階が正六位上から従五位下に昇叙された旨の記載がある古社になります。

大村神とは?

社伝には主祭神である「大村神」は息速別命いこはやわけのみことであるとし、その末裔氏族が祖たる息速別命を祀った社であると伝えています。

「新撰姓氏録※」では、「息速別命は垂仁天皇の皇子であり、伊賀国阿保村に宮室を構え、その子孫は允恭天皇の御代に”阿保君”の姓を賜り、淳仁天皇の御代である天平宝字八年(764年)に"阿保朝臣"の姓に改められこれを賜った。」としています。
※「新撰姓氏録」は平安時代初期の弘仁六年(815年)に、嵯峨天皇の勅命により編纂された古代氏族名鑑になります。

記紀における息速別命

神名古事記 :伊許婆夜和気命
日本書紀:池速別命
古事記・日本書記:第十一代垂仁天皇
古事記 :阿耶美能伊理毘売命
日本書紀:薊瓊入媛
事蹟古事記 :記述なし
日本書紀:記述なし

陵墓

大村神社の西側にある「西法花寺古墳」が宮内庁より息速別命の陵墓として治定されています。しかし、周辺から出土した埴輪片から5世紀末から六世紀初頭に築かれた古墳であると推定される事から治定間違いなのではとも見られている様です。

「息速別命墓」の紹介記事は「 こちら 」

永正年中(1504-17年)火災により社殿が灰燼に帰す
天正九年(1581年)天正伊賀の乱の兵火により再び社殿が灰燼に帰す。
天正十五年(1587年)社殿を造営(この時建造された本殿が今では宝殿として国重要文化財に指定されている。)
明治五年村社に列格
明治十七年郷社に昇格
明治四十年大字阿保に鎮座する「無格社山神四社、愛宕神社(境内社:金毘羅神社)、市杵島神社二社、金比羅神社、愛宕神社二社、神明社、姪子神社、津島神社」を五月十九日合祀
大字羽根に鎮座する「無格社山神社」、大字別府に鎮座する「無格社神明社(境内社:八幡神社、津島社、稲荷社)」、大字寺脇に鎮座する「無格社八幡神社(境内社:熊野神社、市杵島神社)」、大字岡田に鎮座する「村社山神社」、大字柏尾に鎮座する「村社十七明神社」を十月五日に合祀
明治四十一年種生村大字川上に鎮座する「村社鹿島社」を五月十一日に合祀
昭和五年縣社に昇格

春日三神

 配祀神として、武甕槌命・経津主命・天児屋根命のいわゆる春日三神が祀られています。嘉吉元年(1441年)の「興福寺官務牒疏」では「神護景雲元年(西暦767年)に春日三神が常陸国鹿島から大和の三笠山(現奈良県奈良市の春日山。春日大社のご神体)へと遷幸される際、大村神社にも立ち寄って神霊を留めた。」ことが大村神社に春日三神が祀られている由縁であるとしています。

天正十五年(1587年)に本殿が再建された時の棟札には「春日大明神」と記されている事から室町時代の頃には春日信仰がかなり浸透していた事が見て取れます。

参拝記

大阪市と津市を青山高原経由で結ぶ国道165号線の別府交差点(交差点角にファミリーマートが目印)を南に曲がった先に鎮座しているのが今回紹介している「大村神社」になります。参拝した日は狙った訳ではなかったのですが例大祭が行われる11月3日で、神社には祭りの時によく見かける幟が掲げられていました。

 石灯籠一対、社号標、手水舎、明神鳥居が据えられている参道入口になり、向かって左手の空き地にみえる所は参拝者駐車場になっています。参拝当日、例祭だとは全く知らなかったので、この境内入口に掲げられている幟を見て、「あれ?もしかして祭か?」と思った次第です。

 延喜式内社を示す「式内」が合わせて彫られた社号標になります。延喜式内社の治定社又は論社に据えられた社号標を見ているとかなりな高確率で「式内」が彫られている様に感じるのですが、やはり延喜式に記載されているという事はかなりな古社になる訳ですしそれだけ繁栄していた神社であることを示しているという事で今でも一種のステータスシンボルとなっている感じがします。

 木造銅板葺き四本柱タイプの小ぶりな手水舎が境内入口の一の鳥居を潜ったすぐ先に据えられています。

 境内に向かう参道が山の中に向かって伸びています。参拝者駐車場などで森が切り開かれているので明るくなっていますが元々はうっそうと茂った山の中を進む昼間でも薄暗い感じの参道だったんだろうと思います。その方が神秘的な雰囲気を感じられるので自分的には好きなんですけどね。

 参道を進んでいくと、森の中特有の苔がむしている明神鳥居が設けられ、その先は境内に向かって石段が続いています。

 石段の先には幟が複数本立てられていて、祭の雰囲気をこれでもかとだしている境内が見えてきます。

 石段を登り切ったら自分の勝手な想像とは大きく異なってかなり広い境内が広がっています。

 瑞垣と扁額が設けられた明神鳥居の三の鳥居が設けられた境内入口になります。

 参道入口にあった手水舎とはうってかわって立派な造りとなっている木造銅板葺き四本柱タイプの手水舎が三の鳥居脇に設けられています。この手水舎の特徴は写真をみてもらえばわかるかと思いますが柱に転びが付けられていないまさに垂直な柱となっている点でしょうか。

 入母屋造瓦葺平入の唐破風の向拝が設けられた拝殿を有する社殿になります。拝殿後に千木と鰹木を有する妻入りの屋根が見えていると思いますが、こちら大村神社の本殿は春日造となっています。そして、参拝した日は先にも述べていますが例祭だったということで、コロナ禍以前は町内を練り歩いていたがコロナ禍で中断した事で担ぎ手が減りすぎてこの年は練り歩く事を断念して祭中は拝殿前に据える事にしたという・・

 なんか光沢具合が非常にリアル?な感じがする”ナマズ”が鎮座していました。このナマズを神輿に載せて町内を練り歩いたんだとか。今でもその影響が色濃く残っているのですが、新型コロナウィルス騒動による緊急事態宣言によって地方の祭の姿を本当に変えてしまったと実感しています。自分も関わっている神社の奉賛団体でもその影響は未だに続いているのでこの大村神社の神輿中止は他人事ではなかったりします。

なぜに例祭で"ナマズ"なのかの回答が境内社である「要石社」になります。

要石とは?

地震大国である日本において地震を鎮めるというのは太古より人々の願望だったはずで、茨木県の鹿島神社香取神社にある地下の巨大なナマズを抑えていると信仰されている石を「要石」と呼んでます。

なぜ大村神社に要石信仰があるのかといえば、「春日三神が鹿島から大和国三笠山に遷幸される際、大村神社にも立ち寄って神霊を留めた。」という伝承から信仰を集めるようになったのではと想像しています。

 大村神社の要石信仰を象徴する数多くの社殿の濡縁の高覧に置かれたナマズの置物になります。地震鎮護を願って治めるんだとか。

 例祭の際の祓所が設けられていたのですが、その先には先代?の本殿がいまでは宝殿として保存されています。この宝殿が国の重要文化財であり天正十五年(1587年)に建造された建物になります。祓所の奥にある渡の先にあるのですが、ちょっと先に進むのは自重した為宝殿の写真は撮れておりませぬ。

 拝殿前に鎮座する狛犬一対になります。

 大村神社は日本三奇鐘といわれている「虫喰いの鐘」があります。三奇鐘というからにはほかに二ヶ所あるはずなのですが、色々文献によって意見が割れているという事でよくわからず・・・。

 この鐘自体は元々大村神社の別当であった禅定寺の物だったのですが明治三年に廃仏毀釈によって廃寺となり大村神社に残された物なんだとか。

 伊賀市の指定文化財なのですが、今でも普通に鐘突きに供されているみたいですね。ネット情報では誰でも打つことができるらしいのですが・・・・文化財なんですよね?

 参拝を終えた後、自分も少しでも地震が抑えられればと思い、こちらのナマズの鈴を購入して普段使っている鞄につけてあります。この何とも言えないファニーなナマズの姿に癒されております。

地図で鎮座地を確認

神社名大村神社
鎮座地三重県伊賀市阿呆一五五五番地
最寄駅鉄道:近鉄大阪線「青山駅」徒歩14分

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