鳥之石楠船神
記紀での出現状況
- 古事記に出現
伊邪那岐と伊邪那美の神生みによって船の重要性に基づいて神格化された神- 神名:鳥之石楠船神、天の鳥船
- 日本書紀に出現
伊邪那岐と伊邪那美の神生みの中で、蛭子を放ち棄てる為に乗せた船として登場- 神名:鳥磐櫲樟船
鳥之石楠船神は「古事記」に登場する神で、伊邪那岐・伊邪那美の神生みの段の中で「船」が神格化され出現した神であるとされています。
鳥之石楠船とは「鳥の様に軽快で堅固な楠造りの船」
- 「鳥之」は天を飛ぶ鳥の軽快な速度、または水鳥の水に浮かぶ様を現しているとされています。
- 「石」とは堅固なという意
- 「楠」は腐食しにくい木材で船の材料としてよく使用されていた。(弥生時代から古墳時代にかけて楠造の刳船が多く出土している。)
こうした船の重要性から神格化され、鳥之石楠船"神"となった。その名前からもまさに船が神格化した事がよくわかります。
古事記では?
神生みの段の中で、大戸惑女神に次いで出現する神で、古事記では「・・・次生神名、鳥之石楠船神、亦名謂天鳥船。・・・」と書かれていて、鳥之石楠船神は天鳥船とも呼ばれているとしています。
また、国譲りの段において、建御雷神と共に大国主命の元に派遣されています。この時の名が「天の鳥船の神」となっています。
日本書記では?
神生みの段の一書曰(第二)のなかで、最初に生れた「蛭子」を放ち棄てる時に用意した(生んだ?)「鳥磐櫲樟船」という名で登場します。蛭子を捨てるとしながらも、邪気を払うとされる「楠(樟)」で作られた船に乗せて海に流している点は、古事記の葦船(葦も邪気を払う力があるとされていた。)に乗せて海に流している所と同じ考えのようです。
古事記と大きく異なるのは、鳥磐櫲樟船は葦船と同様に"あくまでも船"であり、鳥之石楠船神の様に"神"がついていない点になるかと思います。
神々のデータ
神祇 | 国津神 |
神名 | 古事記 :鳥之石楠船神 日本書紀:鳥磐櫲樟船 |
神名の意味 | 鳥の様に軽快で堅固な楠造りの船 |
親 | 古事記 :伊邪那岐命・伊邪那美命 日本書記:伊弉諾尊・伊弉冉尊 |
子 | ー |
鳥之石楠船神を祀る神社
現在の所、当サイトでは、大綿津見神を主祭神とする神社の紹介記事はありません。
まとめ
「神々を載せる船」という意味もあるとされる鳥之石楠船神ですが、船として登場したり、神として登場したりなかなか日本神話の中でも特殊な神ではないかと思います。そんな鳥之石楠船神ですが、Google先生に尋ねてみると予想外の回答がありました。それが・・・
吹奏楽などに詳しい方ならよく知られている曲なんでしょうか。しかし、日本神話にでてくる神の名を用いた曲があるとはビックリしました。