AZ-1

AZ-1復活!

AZ-1って知ってる?

 昭和末期から平成初期にかけて、日本を席巻した「バブル景気」。自分は高校生から大学生にかけての時代であまりバブル景気の恩恵を受けた記憶は正直ないのですが、話を聞く限り、「異常な状態だった」という事を感じざるを得ない訳です。そんな異常なバブル期に、日本の車業界も”異常な”車を発表し続けてます。バブルに踊らされた代表といえば「マツダ」であることを否定する人は少ない無いんじゃないかと。”あの”マツダが販売チャンネルを5チャンネルにするべく爆進していく時代を異常と呼ばずして何と呼ぶのか。そんなバブル期のマツダの中でもひときわ異彩を放っていたのが「AUTOZAM AZ-1」になります。

 世界の名だたるカーデザイナーが一度は図面を引いたであろう「ミッドシップ・2シーター・ガルウィングのスポーツカー」を世界で唯一実現させた車が「AZ-1」なんです。し・か・も、あろうことか日本独自の軽自動車規格で実現させたところがまさにカオスな訳です。同時期にホンダからミッドシップオープンカーの「ビート」、スズキからFRオープンカーの「カプチーノ」が発売され、ABCトリオなんてもてはやされたりしましたが、3万台以上を売り上げたビートやカプチーノに対し、AZ-1はわずか4000台程度の販売台数と明らかにABCトリオの3台の中で唯一の負け組と断定していいくらい全く売れませんでした。正直・・・ミッドシップの時点で実用性は皆無ですし、ガルウィングはキワモノの極致?な訳で、注目は集めますが、さすがに異常なバブル期でもまったく売れなかったんですね。

自分のAZ-1は、平成10年に5年落ちの中古車を購入して以来、なんだかんだで25年も所有している車になります。当時のマツダは「マツダスピード」というマツダのワークスとして数々のレースに出場していた子会社あって(トヨタのTRD、日産のニスモ、ホンダの無限、三菱のラリーアートの様な存在です。)、そこからAZ-1用のチューニングパーツやエアロが販売されていました。マツダスピード製のボンネット・フロントバンパー・リアスポイラーの三点エアロパーツを取り付けたコンプリートカーとして販売されていたのが「AZ-1マツダスピードバージョン」になります。台数限定で販売されているのですが、好評だったのか第3期まで販売されています。特徴は、第1期は青色と赤色、第2期は青色と赤色と銀色、第3基は青色と赤色と黒色が販売されて、通常では販売されていなかった銀色と黒色の塗装色のAZ-1が販売されています。

 自分のAZ-1は第2期のマツダスピードバージョンになるようです。

エンジン不動車に・・・

 自分の生活環境の変化もあり、AZ-1を乗る機会が急速に減った結果・・・・エンジンが不調になって、そこで直せばよかったのですが、何となく先送りにしてたら、全くエンジンが動かなくなってしまいました。そして、そのままガレージの肥やしになること数年・・・・誇りまみれになっていたAZ-1を息子が発見(?)して、「なにこの車!今すぐ乗ってみたい!」と大興奮状態でドライブ行こうアピールが行われ、「これ壊れてて動かないんだよ」と説明しても、「直せばいいじゃん」と簡単におっしゃってくれるので、どうしようかなーって悩む事1年弱・・・これ以上放置しても、部品が無くなってしまう訳で、直すなら最後の機会かなと腹をくくって、AZ-1を修理する事になりました。

 ドナドナされていく時のAZ-1はこんな感じでした。誇りまみれ、タイヤはエア抜け、ドアダンパーは御臨終でガルウィングはまさにギロチン状態でした。ちなみに、最初ブレーキが固着して全く押しても動かず。四苦八苦しながらウィンチを引っ掛けて引っ張るとやっと固着が外れて助かったのですが、ガレージから車を出して積車に積み込むまでに1時間以上かかるとはさすがに想像できなかったですね・・・。

 ほぼ、レストアとほぼ同じような修理となっています・・・。燃料系は総交換・・・ブレーキ系も総交換・・・・エンジンも総バラシの上洗浄・再度組み直し・・・ああ、ラジエーターとインタークーラーも交換でしたね。全く期待してなかったですが、ドアダンパーの新品パーツがまだあったので、これもすべて交換となっています。

そして、復活!

 そんな感じで、なかなかな大手術を経て、この度、AZ-1が戻ってきました。惜しむべくは、修理代が当初予算を大きく上回ってしまった為、密かに計画していた、アブソーバーの交換ができなかった事ですかね。完全にアブソーバーがへたってしまっていて、バネの揺れを吸収し切れていないなと感じる事が僅かな試運転でも感じてしまいました。以前の状態を体が覚えてしまっているから、こういった違いが違和感として感じてしまうんですよね・・・。

 あと、細かい所が壊れていたりするのですが、車を動かす事には関係ない様なパーツだったりするので自分で治すからいいよと伝えてあったので、当面はこうした修理・交換が必要な個所の修理をちょこちょこ行っていこうと思います。

 この辺りを含めて、あと何年乗るというか乗れるかわかりませんが、久しぶりにAZ-1とあちこちに出かけていきたいと思いますし、当サイトにちょこちょこ登場してくるかもしれません。どうぞ、ごひいきにしてくださいませ。

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